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弾丸というには、あまりにも巨大な光の塊が、拡散するようにその銃口から飛び出す。
薙払うように剣を振るって、それらを撃ち落とすと、再び銃口が火花を吹いた。
「ふん」
下らん攻撃だ。
俺は左手──銀色の盾“八咫鏡”を前に突き出す。オーラを注ぐと、それに応えるように盾の表面が輝きを帯びた。
実に耳障りな鋭い音。
放たれた弾丸は巻き戻しでもされたかのように、同じ軌道上に跳ね返された。
ギラーが大きく上へと跳躍する。
俺は宙へ逃げたギラーに向かって、今一度剣を振るった。
剣筋から放たれた閃光に合わせ、ギラーが日本刀を振るうと、今度は俺の攻撃がそのまま返ってくる。
「……どういう原理だよ」
テニスしてるんじゃないんだがな。
俺が後ろへ退くと、目の前にエネルギーの塊が衝突し、激しく爆ぜた。
休む間もなく繰り出される破壊に、建物が悲鳴を上げているようだった。
壁の至る所に亀裂が走り、どこも穴だらけだ。他の連中を逃がしておいて、本当に良かった。
この戦いを前に、彼らは足手まといだ。
俺はもう一度剣を構え直すと、ギラーを見上げた。
「やはり、接近戦を仕掛けるべきか」
降下し始めたギラーに狙いを定め、俺は思いっきり地面を蹴った。
ふわりと浮かび上がる身体。
肉体は間もなくして、重力から解放される。
「失せろ」
目障りだ。
俺はありったけのオーラを刀身に注ぎ、ギラー目掛けて、剣を振り抜いた。
微かな鮮血が、空に舞い──地に降り注ぐ。
「左腕は、穫ったぞ!」
俺の剣筋は、ギラーの野太い左腕を確かに捉え、切断した。
「──!!」
その直後。
全身を突き刺すような危機感に、俺は咄嗟に盾を構える。
凄まじい衝撃が盾を押し潰した。
「ぐはぁッ!」
勢いよく地面に叩きつけられ、全身を強打する。一瞬だけ息が止まった。
「はぁ……!」
すぐに態勢を持ち直そうと、腰を上げるが、目前までギラーが迫っていた。
突き出される日本刀を、紙一重のところでかわす。
「──ッ!?」
──が、避けた先でギラーの頭突きが俺の頭を捉えた。
「ぐぅ……ッ!!」
この俺が、押され始めているだと……
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