3月1日 木曜日

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朝、7時の出来事だった。 ポストの中には一つの手紙。 まるで自分、琴外 裕紀 を拒むかのように 威圧なオーラを放っている。 「本当にある…一体どうして…」 赤の便箋をまとい、俺の恐怖心をくすぐる…あのメールは本物だったのだ。 ケータイの受信ボックスを開く。 履歴から探し、あのメールを探した。 あった。 そこに書かれていたのはたった5文字。 そう、実にシンプルなものだったのだ。 「ポストの中」 これだけ。 所詮これだけだが、実際この場に立つとそうはいかない。 5文字という少ないメッセージにつけ、 その事が実際に起きているのだ。しかも見知らぬメアドからという王道ホラーまっしぐら。 怖くないわけがない。 「なんだろう…呪いのメールとかじゃな きゃいいが…」 俺は便箋を開け、シールを剥がす。 途中紙が破れたりしたが問題ない。どんどん剥がしていった。 俺は基本的、小さい事は気にしないタイプだ。 「開いた…」 中の手紙本体を取り出すと、なんだか黄ばんでいる。まるで昔の資料を見ているかのようだ。 「裕紀へ…」 途中自分の名前が出てきた事に戸惑いながらも、先を読み進めていく。
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