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久美ちゃんは不貞腐れた口調で言う。 確かに自分から言うのは勇気がいる。そうだよね、と強く頷くと久美ちゃんがぼやいた。 「なんかこっちから言うと負けた気がするし、これから主導権握られそうだし。やっぱり女は愛されてなんぼでしょ。」 思っていた答えと違った為、イエスともノーともいうタイミングを逃してしまったけれど久美ちゃんはそんな事は気にも留めず文句を続ける。 「それでなくても、高校生って事で不利なのに、相手を調子に乗らせると簡単に浮気しそうじゃん。健人君、モテるし。」 まあ、見た目ほどチャラくないんだけどさあ、と今度はノロケが始まる。
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