朝顔

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いくらいとことは言え、9人の男の中に1人の女ってわけにはいかない。 ほとんどが私と同じか年下だったけど、その中でも1人だけバツイチの人と結婚した叔母さんの息子、血は繋がっていないけど一応私のいとこにあたるその人は、いとこの中でも1番年上だった私のお兄ちゃんよりも3つも年上で、何でも知っていて私のヒーローだった。 名前はヒロミくん。 ぐんと背が高くて、いつも優しく笑っていて、幼い私には大人に見えた。 カブトムシを捕まえに行ったお兄ちゃん達に置いて行かれても、庭に広げたビニールプールでいっぱい水をかけられても、必ず助けてくれて一緒に遊んでくれた。 「ハナちゃん、カブトムシより蝶を見に行こうか」 「ハナちゃん、泣いた顔より笑ってるほうが可愛いよ」 「ハナちゃん、花火しようか」 いつもそうやって慰めてくれた。 .
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