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そして私が16歳、大学4年生だったヒロミくんが来た最後の夏。
2人だけで初めてのお祭り、お母さんに紺地に朝顔の浴衣を着付けてもらって、友達の誘いも断ってヒロミくんと出かけた。
「浴衣似合うね」
「あ、ありがとう」
褒めてくれたから凄く嬉しくて、真っ赤な頬を隠すことが出来なかった。
人が多いから、はぐれないように手をつないで歩く。
小さい頃はよく手を引いてもらっていたけど、それとはちょっと違う気がした。
凄く大きな手は、私が知っていた小さい頃の手とは違ってごつごつしていて、初めてじゃないのに凄くドキドキした。
金魚すくいをして、りんご飴を買って貰って、朝顔の髪飾りをアップに纏めた髪につけてくれて。
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