朝顔

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「なんだかデートみたい」 「ん? デートでしょ? 僕はそう思ってるけど」 ニッコリ笑顔でそんな風に言われたらその気になっちゃうよ。 「じゃあ、私の初デートはヒロミくんだ」 「不満?」 「全然、嬉しい!」 翌日帰ってしまうのも知っていたから、尚更楽しまなくっちゃっていつも以上にはしゃいでた気がする。 「じゃ~ん、花火持って来たんだ。そこの神社でしようよ」 「やった~! ヒロミくんさすが」 袋に入った手持ち花火に順番に火をつける。 最後の線香花火は、しゃがみこんで肩を寄せ合ってパチパチ小さな火花が飛ぶのを眺めた。 .
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