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「ハナちゃん、僕ね、春から社会人になるから、あんまり会いに来られなくなるんだ」
「ヒロミくん、もう来ないの? 寂しいからいやだよ」
「でも、いつかきっと来るから待ってて」
「約束?」
「うん、約束しよう。ねぇ、ハナちゃん」
「ん?」
振り向いた時に一瞬だけ唇に暖かい感触。
驚いた拍子に線香花火の火が儚く地面に落ちた。
目の前には優しく微笑むヒロミくん。
「これで初めてのキスも僕だね。約束の印だよ」
声も出せずにただコクコクと頷いた。
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