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そんな私を子供をあやすように背中をさすってくれるから、もう余計嬉しくて嬉しくて、もう涙が無くなっちゃうんじゃないかってくらい泣いた。
「ハナちゃん、泣いた顔より笑ってるほうが可愛いよ」
やっぱり昔のままのヒロミくんだと思ったら又泣けた。
「ずっと朝顔咲かせて待ってたんだから」
「うん、ごめんね。遅くなって」
「ずっとずっと、待ってたんだから」
「うん、ありがとう。ご褒美あげなくちゃね」
ご褒美という言葉に一気に涙が止まって、恐る恐る顔を上げた。
ゲンキンな私。
「ご褒美?」
「そう、ご褒美。植木鉢でいい?」
ニッコリ笑っているヒロミくんの言いたいことがわからない。
「どうして植木鉢?」
「僕のマンションベランダしかないから、植木鉢の朝顔で我慢してくれると助かるんだけど」
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