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ヒロ君がプレゼンに通ってドイツ行きが決まってから早3ヵ月、それはそれは怒涛の忙しさで準備は進められた。
毎日のように残業しているヒロ君とはなかなかゆっくり会えないけど、通勤のバスでは私が追いかけて同じバスに乗っていた時とは違って、示し合わせて同じバスに乗るようになった。
「はい、手」
「うん」
当たり前のように手を差し出してくれる。
それだけでも私にとっては凄く大きな進歩で、バス停まで手を繋いで歩けるなんて夢でしか見たこと無かった。
だけど、もうすぐヒロ君はドイツに行ってしまうから、それもしばらくはお預けになる。
今のうちに忘れないようにいっぱい手を繋いでおかなくちゃ。
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