ラベンダー

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「おぅ、りおおかえり」 「あ、お父さん。いたの? ごめんね」 仕事から帰ってきたばかりらしく、着替えているお父さんを軽くスルーして、クローゼットの中からラベンダーの瓶を取り出し、自室に戻った。 失敗が無いように丁寧にサシュを作る。 「これがカバン用で、これがクローゼット用」 たくさん渡したいけど重荷にはなりたくないから、笑って持って行ってもらえる程度の数にしよう。 大小2つのサシュを作っているだけで、部屋中がラベンダーの香りに包まれて幸せな気分になる。 明日渡せるかな。 幸せな気分でぼんやりしていると、携帯からメールの着信音が鳴った。 今日何も言わないで急いで帰ってきたから、心配してるんじゃないかと今ようやく気がついた。 携帯を開けばやっぱりヒロ君で、今家の前って書いてある。 .
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