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私の考えを察したのか、ヒロ君はクスクスと肩を震わせて笑い出した。
「ありがとう。りおは本当に可愛いな。ポケットに入れてりおごとドイツまでもって行きたいよ」
「笑わないでよ」
頬を膨らませて拗ねても全く笑いは治まらないらしく、肩の揺れが大きくなっていく。
「ごめんごめん、あんまりりおが可愛いことするから」
頬が真っ赤になっているのがわかるけど、拗ねた手前引っ込みがつかない。
「もう知らない」
背中を向けて笑い終わるのを待っていたら、しばらくしてようやく落ち着いたらしいヒロ君が、りおって優しく呼びかける。
「知らないもん」
「りお、こっちむいて」
「やだ」
「もう笑わないから」
「やだもん」
「お願いだから」
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