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もう向いちゃいたいなって思ってるのに、素直になれない性格が歯痒い。
たぶんそんなこともお見通しなんだろうけど。
「り~おちゃん、大事な話があるんだけど」
そう言われて、ようやく体をヒロ君のほうに向けて座りなおした。
「何?」
「これありがとう。ちゃんと持っていくから。それから、たぶん2年は帰って来られないと思うから、俺からも虫除けあるんだけど……」
「え?」
小さな箱から取り出されたのは、私の誕生石のついた指輪。
サファイアの濃い青がキラキラしてる。
左手を取られて薬指にすっと通された。
「誕生日おめでとう。これは虫除けだけど、いつかちゃんとプレゼントするから」
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