クリスマスベゴニア

4/10
前へ
/210ページ
次へ
春からもう半年以上私の片思いは続いている。 もし告白なんてして、断られた上に気まずくなって家庭教師まで辞められたら絶対立ち直れない。 大学入試どころじゃなくなってしまう。 だから、告白するなら大学入試が終わってからって決めている。 ゆかりと2人でいつもの電車に揺られていると、どこからか聞き慣れた声。 振り返ると、近くの座席でお婆さんに席を譲る先生を発見。 「すみませんね」 「良いんですよ、僕次で降りますから」 なんて優しい人なんだろう? やっぱり私の先生だわ。 うっとり見惚れていると、先生が私に気がついてくれた。 「もしかして、あの人がりあの先生?」 「うん」 ドアの前に立つ私達の所まで極上の笑顔でやって来た。 .
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2760人が本棚に入れています
本棚に追加