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黙って晴子におかわりのマティーニを出した。
俺の意図がわかったのか、晴子がニッコリと微笑を返す。
「ありがとう、そういえばお花が飾ってあるなんて珍しいわね」
「隣の花屋の奥さんからいただいたんだよ。後で持って帰るから花瓶出しておいて」
「うん、わかった。せっかくの誕生日なんだから早く帰ってきてよね。ご馳走作って待ってるから」
「金曜日だからわからないけど、もし遅かったら先に寝てていいから」
「ダメ! 誕生日なんだから、絶対起きてるもん」
「じゃあ頑張って早く帰るよ」
突然始まった俺たちの会話に、石橋は目を丸くして固まっている。
「もしかして……」
「えぇ、彼氏ですけど」
「どうも、晴子がお世話になってます」
「あ、いや……こちらこそ」
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