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うちに帰ると、テレビをつけっぱなしで晴子がソファーでうたた寝していた。
ずいぶん待たせたから仕方がない。
持って返ってきた花をバスルームにおいて、リビングに戻ってもまだすやすや眠っている。
「晴子、ただいま」
横に座って頭を撫でてやると嬉しそうに微笑むから、つい柔らかそうな唇に口づけた。
もう日付は替わってしまったから俺の誕生日は終わったけど、こうやって穏やかな寝顔が見られただけで十分なプレゼントだ。
起こさないようにそうっと寝室に運んでベッドに寝かせる。
「来年も再来年も、一緒にいような」
晴子の誕生日には、起きているときに言おうと心に誓い、抱きしめたまま目を閉じた。
ビターチョコレートより、陸のその後……。
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