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「海里と海瑠は?」
「あいつらの好きなアニメつけてきた。しばらくは静かにしてると思うから、少し眠るといい」
「ありがとう」
ミネラルウォーターを飲むと、ゆっくりと私を横たえ手を握ってくれる。
「眠るまでここにいるから、心配するな」
「うん」
本当なら今頃会社に行かなくてはいけないのに、朝から調子の思わしくない私を残しては行けないと、急遽有休を強制発動した専務様は片時も私のそばを離れない。
そういえば、海里と海瑠を出産したときもそうだった。
些細な私の変化に一番に気付いてくれる。
いつものように優しく頭を撫でてくれるから、眠くはなかったはずなのに少しずつ意識が遠のいていく。
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