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それからは仕事の引き継ぎやその他で忙しそうな片桐さんと、外回りをする事がパッタリと無くなった。
「寂しくなるね」
「うん」
「送別会しようね」
「うん」
心配して声をかけてくれる同期の話も上の空で、ただ気を紛らわせるために仕事に没頭した。
やっと独り立ちする時が来ただけ。
いつまでも片桐さんに甘えてばかりはいられない。
片桐さんがいなくなっても頑張ってるってちゃんと認めてもらえるようにならなくちゃ。
そう自分に言い聞かせた。
そうでもしないと泣いてしまいそうだったから。
ただの先輩と後輩らしく見送らなくちゃ、片想いは胸にしまって…。
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