ラ・マリエ

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「おっはよ~」 「あ、おはようございます」 次々に出勤してくる先輩達に挨拶をしながら制服に着替えて今日の準備。 式の担当じゃなくても打ち合わせの予約はいくつか入っている。 ふらっと見学にみえるカップルもいらっしゃるだろうし。 私の担当の2人は2時の予定だから、それまでに準備しておかないと……。 と言いつつスプリンクラーが庭の花たちに水を撒いている光景を眺めながら暫しぼんやり。 「あ、虹だ」 「お前本当に好きだな、その花」 私が庭を眺めている後ろから同期の河野君の声。 目の前に広がるのはそろそろ蕾が膨らみ始めたラ・マリエ。 花嫁って名前の淡いピンクのバラ。 まだ咲いていないけど、きっと来月の中旬には見ごろを迎えるはず。 今日打ち合わせの田所様佐々木様の式にちょうどいい。 「うん、大好き」 この庭を見て、絶対ここで働きたいって思ったくらいだもん。 勢いよく振り向いたら、河野君が何故か赤い顔で頭を掻いていた。 .
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