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「大きなお世話よ。あぁ~あ、凄く楽しみにしてたのにな~」
佐々木様と私の好みが見事に一致して、私にとってもとても素敵な式と披露宴になるはずだったのに。
ちょうど見ごろのラ・マリエの前でパーティーをって2人ではしゃいだことを思い出す。
ラ・マリエにあわせた淡いピンクのドレスも出来上がっているのに……。
「そう落ち込むなよ。仕方ないだろ? 新郎が転勤なんだし。お2人の結婚がダメになったわけじゃないんだから」
「そうだけど……。私の理想の式だったのに……」
新郎新婦と同じくらい諦めがつかない私。
甘いコーヒー、むしろカフェオレなそれをごくりと喉に流し込んだ。
「あ、そういえば、部長が全部キャンセルは勿体無いから、そのまま模擬結婚式しようかって言ってたぞ。神父もゴスペルも押さえてあるし、最近式が立て込んでてブライダルフェアしてないからって」
そういえば、今は気候もいいせいか式を挙げる方が多い。
だけど大安吉日とは言っても、今から来月に式を挙げるカップルを見つけるのは無理がある。
模擬結婚式なら全部無駄にならずに済むし、最近立ち寄ってくださった方に案内を送ってもまだ間に合う。
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