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皆が居酒屋に集まり始め、いつもは何だかんだと片桐さんの横に座っていたけど、今日は片桐さんが主役だから、たくさんの人が集まっていて近づくことが出来ない。
だから無駄に注文を纏めたり、空いたグラスを集めたりして、気を紛らわせていた。
「皆さん、注目!」
最高潮に盛り上がっている最中、幹事の人が声を上げたのを合図に、同期と共に隠していたプレゼントと花束を持って片桐さんの所に近づいた。
なんだか久しぶりに片桐さんと目があった気がした。
私が避けてただけだけど。
「片桐さん、長い間お世話になりました。本社に行っても頑張ってください」
笑顔で言うはずだったのに大号泣で花束を渡すはめになってしまった。
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