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そんな私の頭を片桐さんはよしよしと撫でながら笑っていて、周りのみんなも微笑ましく眺めていて、すごく恥ずかしいのに涙が止まらなかった。
寂しくて寂しくて、抱きついてしまいたかったのに…。
片桐さんの口から出た言葉で、辺りはシーンと静まり返った。
「おい、俺の寝癖は誰が直すんだ?緩んだネクタイで取引先に行かせるつもりか?」
いやいや、皆自分でやってますよ。
ポカンと口を半開きで片桐さんを見ていたら、おでこにデコピンをされた。
「イタッ!」
おでこを押さえて見上げた片桐さんの顔はニヤリと笑みを称えていて。
「お前も来い」
「はい?」
ビックリして声が裏返ってしまった。
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