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「りお、ねぇりおってば」
「え、何?」
「もぅ、全然人の話聞いてない」
「ごめんごめん」
お昼休みの屋上で、同期の香奈や後輩たちと一緒にお弁当。
気がついたらお弁当を広げているのは私だけで、みんなはすでに片付けている。
「どうしたの? 何か心配事でもあるの?」
「そうじゃないんだけど……」
ヒロ君に片思いしていた頃からずっと相談に乗ってくれていた香奈。
付き合うようになっても遠距離になってもずっと支えてくれて。
「どうしたのよ。あ、もしかしてまた彼のこと考えてたの? もうすぐだもんね」
「うん」
この1年1度も帰ってくることが出来なかったヒロ君のところに、私が会いに行くことに決めたのだ。
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