コスモス

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片づけをしてお風呂に入って、テレビを見ている新ちゃんの横に座る。 「寝ていいぞ。これだけ見たら帰るから」 「うん」 野球の中継も終盤。 疲れたからお言葉に甘えて寝ることにしよう。 「かぎちゃんとかけて帰ってね」 「あぁ、ポストに入れとく」 「了解」 玄関においてあるカギをいつも使って郵便ポストに入れて帰ってくれる。 幼馴染に合鍵はハードルが高い。 テレビに夢中の新ちゃんを横目に寝室のドアを閉めようとした。 「美穂、明日10時に迎えに来るから用意しておけよ」 驚いてドアを全開にした。 「どうして?」 約束した覚えはない。 今日の疲れを取るために1日寝るつもりだったのに。 「俺もコスモス見たくなった」 「うん」 ニコッと笑う新ちゃんに私も笑顔を返した。 明日は土曜日。 もう疲れなんて吹っ飛んだ。 .
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