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「何言ってんの、心変わりしてたらここにいないだろ」
「だよね……」
他人事だと思ってあっけらかんと言う妹が恨めしい。
「何?」
「何って、俺のこと信じてないわけ?」
そうじゃないけど、もう付き合って6年だし、健二を疑ってるんじゃなくて、自分の気持ちを疑っているというか……。
だからちゃんと『好き』で終わって欲しかったのに、まさかの全嫌い。
「で、その占いはどうだったの?」
「全部嫌いで終わった……」
笑ってビールを飲んでいた健二が一瞬真顔に戻った。
「そういう時は好きで終わるまでやらなきゃ!」
だから花が無くなったんだって。
「お母さん、庭の花もらいます」
大好きなビールをテーブルに置いて、健二は私の手を引いて庭に出た。
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