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「あ、戻ってきたからかわる」
せいちゃんが使っていたのは私の携帯で……。
「だれ?」
小声で相手を確認する。
「広沢って言ったかな?」
バイト先の先輩で、時々こうやって電話をしてくれる人。
もちろん男……。
「も、もしもし……」
恐る恐る電話に出ると、広沢先輩の声はちょっと低くて。
『今の彼氏?』
「そ、そんなんじゃないんですけど、ただの幼馴染ですから」
別にいいわけする必要はないはずなんだけど、動揺のあまりいいわけしてる自分に苦笑い。
『忙しそうだからまたかけるよ』
そう言って広沢先輩は電話を切ってしまった。
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