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「ついに男出来たか?」
そんなこと言わないで欲しい。
初恋の人を思い続けてるのに、彼氏なんて出来るわけない。
「ほっといてよ。それに人の携帯勝手に出ないで」
「悪い悪い」
全然悪いと思ってないし。
持ってきたコーヒーを飲みながら、もらったばかりのライラックを眺める。
やっぱりいい香りだし、いい色。
ライラックみたいな甘い恋に憧れる。
目の前であくびをしている鈍感男にはわからないだろうけど……。
「あ、ラッキーライラック!」
「何?ラッキーライラック?」
普通ライラックは4枚の花びらだけど、稀に5枚の花がある。
「これを飲むと、愛する人との愛が永遠になるって言われてるの」
水はすぐ手元にないから、とりあえずコーヒーで飲もうと花を手にした。
しかし、もうちょっとというところでせいちゃんに邪魔された。
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