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せいちゃんは私の手にある五枚の花びらのライラックを奪い取ると、ぱくっと自分の口に放り込んだ。
「あ~、私のラッキーライラック……」
ごくりとコーヒーで飲み込む姿をなすすべなく見守るしかなかった。
「よし、これで俺の愛が永遠になった」
満足そうなせいちゃんを思いっきり睨みつける。
「せいちゃんのばか!」
泣いたって花は戻ってこないんだけど……。
悔しくて涙が出る。
せいちゃんへの気持ちを願掛けしようとしてたのに、せいちゃんの恋が実ったら、私失恋しちゃうじゃん。
それからいくら探しても4枚の花ばかりで、1つも見つけることが出来なかった。
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