2760人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ
乱れた髪を撫で付けて、身だしなみをチェックした。
「ヒロ君、おはよう」
「あぁ、りおか。おはよう」
話し方はぶっきらぼうだけど、 目尻にしわをいっぱい作って、目がなくなりそうな程にっこりと笑顔を見せてくれる。
これで今日も1日頑張れる。
「今日は何の花?」
月曜日恒例の切り花チェック。
「今日はミスティパープル。バラなんだよ、綺麗でしょ」
「これがバラ?バラってこんなにヒラヒラしてたっけ?それにこんな色見たことないかも」
到着したバスに乗り込み、ヒロ君は並んで座席に座って紙に包んだ花を覗き込んだ。
ほんのり甘い香りが漂う。
.
最初のコメントを投稿しよう!