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「イタッ!」
勢いよく振り返るとそこにはヒロ君が立っていて。
「ぼ~っとして何見てんの?いい男でもいた?」
「先輩を見送ってただけです。そっちこそ話盛り上がってたんじゃないんですか?」
頭をさすりながら見上げると、ちょっと恥ずかしそうな顔のヒロ君がいて。
「りおに話があったから、あいつら置いて来た。多分俺のプレゼン通ったと思う。専務がそんなこと最後に言ってたし」
「そうなんだ……」
「うわっ、何そのリアクション。テンション低くない?」
だってドイツに行っちゃうってことだもん。
「2年したら帰ってくるから……」
「うん」
「だから、俺のことちゃんと待ってろよ」
「え?」
「そういうこと」
ヒロ君が恥ずかしそうに、でも優しく頭をなでてくれた。
「うん!」
やっぱりミスティパープルは私のラッキーフラワーだった。
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