バラ(ピンク)

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ようやくわかったのか、恥ずかしそうに擦り寄ってくるのもなかなか新鮮で。 結婚式の前日に忍さん達が帰って来て、それから裕一達の部屋になったマンションで4人、旅行の話なんかを聞きながら楽しく過ごしたけど、新婚夫婦としての時間がほとんど取れずにいた。 結婚前もずっと一緒だったから、今更と言えば今更なんだけど、名実共に夫婦になった実感が持てない。 それを香織も思い出したのか、急に甘えてくるからつい意地悪をしたくなってしまう。 「俺を放っておいたお仕置きが必要だな」 香織を担いで立ち上がった。 「裕一さん、ちょっと待って」 背中をバシバシ叩くから、一度ソファーに下ろして窺ってみる。 「あの、お願いがあるんだけど……」 「何? お願いって?」 もじもじとしてなかなか言い出さない香織を待ちきれなくて、もう一度担ぎ上げようとした。 「担ぐんじゃなくて、抱きかかえて欲しい。お姫様抱っこみたいに……」 「あぁ、いいよ。さぁ、姫参りましょうか」 ゆっくりと香織を抱き上げ、寝室に入っていった。 .
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