バラ(ピンク)

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「花言葉……あれ何の花だっけ?バラか?……『バラ』『花言葉』。バラって意味多すぎ」 とりあえず絞り込んで調べてみる。 意味の多さや色による違いなんかが溢れていていっこうに答えらしきものがみつからない。 「何色だっけ、えっと『ピンク』。何々……上品、気品、恋の誓い、これかな? 待てよ、大輪ピンクのバラ、『赤ちゃんができました』、って……え?」 キッチンで香織がドキドキしながら待っていると、勢いよく寝室のドアが開いて、裕一が飛び出してきた。 「香織……、マジ?」 「うん」 「やったぁ、俺達の子供……香織ありがとう」 力いっぱい抱きしめられてちょっと苦しい。 それほど喜んでくれているってわかるから、香織まで嬉しくなる。 「パパ、赤ちゃんが苦しいって……」 「あ、ごめんごめん」 そっと腕を緩めると、愛おしそうにお腹に触れる。 「まだ動かないよ」 「そうだな、でもここに居るんだよな……」 もう一度ゆっくりと抱きしめて、優しい口づけをくれた。 「本当に嬉しい。3人で幸せになろうな」 by『君の居場所』 .
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