紫陽花

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「早苗!」 「戸田さん、どうして……」 「お前の淹れたコーヒー飲まないと1日が始まらない。勝手に人の心の中に入り込んでおいて結納って何なんだよ!」 一気に捲くし立ててからはっと気づく。 そこには早苗の家族と結納相手の家族が揃っていて……。 「戸田さん……。あの、違うんです」 よく見ると、早苗の横で、早苗によく似た女性が笑っている。 早苗の両親も、結納相手の家族も笑っている。 「何が?」 「今日は姉の結納で……」 「は?」 一気に頭が真っ白になった。 結納って、誰のか聞いてない……。 あいつ……騙された! .
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