紫陽花

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「戸田さん、妹がお世話になってます。妹のことよろしくお願いしますね」 「あ、はい。早苗行くぞ」 居心地が悪くなって、早苗の手を取って脱出。 「戸田さん……」 早苗が赤い顔で手を引かれるままついて行くと、戸田も赤い顔でそっぽを向いている。 「明日から毎日コーヒー淹れろよ。土曜日も日曜日も、一生」 「戸田さん……」 「返事は!」 「はい。じゃあ、また禁煙してくださいね」 白い紫陽花は嬉しそうに笑いながら涙を流す。 「しょうがないな」 そっと早苗を抱きしめて、口づけを落とした。 .
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