初っ端からの王道祭り

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「……」 俺と襲われていた少年の周りは、すっかり景色を変えていた。在り来たりに表現するなら、血の海とか地獄絵図になるのだろう。 緑と赤のコントラストが目に痛い。 血の香りに噎せそうになるも、それを堪えて少年に向き合った。 助けてあげたのにびくりと身体を震わせるのは如何なものか。 この世界では殺人なんてよくあることだろうに。 「少年、大丈夫かい?」 「…えっ…?」 引きつった表情のまま、首を傾げるという器用な真似をする少年に苦笑が浮かぶ。 つーかこいつ、よく見れば美形じゃね? びくびくしている少年を観察していれば、不意に思った。 肩まで伸びた髪は月の光のような銀髪だし、翠色の瞳は丸くて大きい。将来が楽しみなタイプだ。 俺としては今すぐ粉砕玉砕大喝采したいわけだが。美形なんて皆死ねばいいんだ。 「あ、貴方は、本当、に、魔神様…なんですか?」 少年が怯えた表情のまま、俺に言葉を投げ掛けた。
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