初っ端からの王道祭り

8/13
前へ
/63ページ
次へ
「じゃ、証明してみようか?」 「え…」 「君の魔力、起こしてあげるって言ってるんだけど」 どうする? くつりと喉を鳴らせば、歪む少年の表情。 なんでそんな顔をするのかな。ほら、俺は優しいから?選ばせてあげるんだよ。 魔力を封じたまま、蔑まれながら野垂れ死ぬか、魔力を解放して国はおろか、世界の英雄になるか。 「君の魔力だから、君が決めなよ。何なら此処で殺してあげるよ?死にたいならね」 骸に変わり果てた盗賊に視線を向ける。もうこれだけ殺した。今更何人殺しても変わらないだろ? 多分、魘されはするんだろうけどね。 俺、そんなにメンタル強くないし。人を殺すとき、躊躇わなかっただけ褒めて欲しいな。 いや、褒められたことじゃないけどさ。 「…魔神様は、優しくないですね」 「選択肢をあげるだけ優しいだろう?俺が甘やかすのは魔族だけ」 まあ、魔族にはまだ逢ってないけどね。逢ったら優しくしますとも。 魔族の為に俺は喚ばれたんだから。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

383人が本棚に入れています
本棚に追加