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「じゃ、証明してみようか?」
「え…」
「君の魔力、起こしてあげるって言ってるんだけど」
どうする?
くつりと喉を鳴らせば、歪む少年の表情。
なんでそんな顔をするのかな。ほら、俺は優しいから?選ばせてあげるんだよ。
魔力を封じたまま、蔑まれながら野垂れ死ぬか、魔力を解放して国はおろか、世界の英雄になるか。
「君の魔力だから、君が決めなよ。何なら此処で殺してあげるよ?死にたいならね」
骸に変わり果てた盗賊に視線を向ける。もうこれだけ殺した。今更何人殺しても変わらないだろ?
多分、魘されはするんだろうけどね。
俺、そんなにメンタル強くないし。人を殺すとき、躊躇わなかっただけ褒めて欲しいな。
いや、褒められたことじゃないけどさ。
「…魔神様は、優しくないですね」
「選択肢をあげるだけ優しいだろう?俺が甘やかすのは魔族だけ」
まあ、魔族にはまだ逢ってないけどね。逢ったら優しくしますとも。
魔族の為に俺は喚ばれたんだから。
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