ギルドにて、修行の日々

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ノアを拾ってから二週間。つまり、俺がコスモガーデンに来てから二週間。 俺たちはあるギルドにて、リディア学術院入学試験をクリアする為の修行を重ねていた。 主にノアが、だけど。俺は修行する必要はあまりないから。 「ねぇ兄さん」 「なんだ?」 「何で兄さんはAランクから更新しないの?」 またその話か、苦笑いを浮かべる。 ギルドとギルドを通して依頼されるクエスト、そしてギルドのメンバー、魔族等にはランク付けがなされる。 そのランクは強さに直結している為、必死でランク上げをする者も少なくない。 ランクはDからSまであり、もちろんSが最高ランク…だった筈だが、このノア、魔力の量が半端なかった上に時と重力という未知の属性を操れた。その為にXという特例ランクが作られてしまった。 今となってはこのランクが一番強いことになっている。 そして余談ではあるが、このXランクが出来た次の日にもう一人加入した。二つ名だったので確かではないが、十中八九勇稀だと思っている。 二つ名とは、ある程度のギルドランクを持つ者に義務付けられる渾名のようなもののことだ。 ギルドランクが高い奴ほど、周りの怨みや妬み嫉み、怒りを買っている奴が多い。 仕事以外で命の危険に晒されないようにとのことだ。 ちなみに俺は愚者(ぐしゃと読む)、ノアは夜月(俺の名前から取りやがったらしい)、勇稀(仮)は武神王(無駄に強そうだなおい)だ。
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