ギルドにて、修行の日々

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さて、場所は変わってノスク港である。 軍人やら漁師がざわざわと声を交わしている。今回倒すべくはそれなりに有名なのだろうか、こんなに騒がしいのだから。 まぁ、有名だろうが無名だろうが関係ないんだけどさ。潰すことには変わりない。 「おい、そこの子供。何をしている?港は封鎖されていた筈だが」 桃色の髪に、左目に眼帯の碧い目の軍人に声をかけられた。 おいこら、俺身長そこそこだぞ。しかもローブで顔を隠しているのに、どこでガキだと判断したんだ。 反抗してやろうかと思ったけれど、ギルドに話が行ってしまったら面倒なことになりそうだったので黙殺しておいた。俺って大人。 「ドラゴンエッグの愚者です。依頼を受けたので参った所存です」 「ふむ?貴様が賊潰しの愚者か。随分若いのだな」 「我がギルドは若輩者が多いもので」 「それも聞いている。私は若輩者だからといって侮るような腑抜け共とは違うのでな、安心していいぞ」 そうして目を細める彼は、確かにクソ真面目そうだ。人相は悪いが、そういう人に限っていい人というのも鉄板である。信用はして問題ないだろう。 「私はリディア王国軍少佐を務めているライズ・ガーネットだ。よろしく頼むぞ、愚者」 「よろしくお願いします、ガーネット少佐」 ガーネットの要素がないガーネットさんだこと。敢えて言うならリディアカラーの赤い軍服かなぁと思うけど、あれはガーネットというよりレッドだしな。 どうでもいいことを考えていると、ガーネット少佐が困ったように眉を八の字に下げた。 「愚者というのは、些か呼び難いな。見下しているようだ」 …思っていたよりいい人だった。何だろう、俺の周りのいい人率。これはあれか、思いとどまれとでも言っているのか。止まる気は微塵もないけどな。 「では、弥月とでもお呼びください。俺の名です」 でもまあ、お人好しに絆されるくらいはしてやるよ。
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