ギルドにて、修行の日々

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海賊船は、既に目の前。狙うは、海面と海上の境辺りの船の側面。船が沈没し始めれば、短期決戦になるだろう。 どっかの実の能力者じゃあるまいし、海賊なのに泳げなくて溺死なんてないだろうし(あったらあったで構わないけど。どうせ最後は死ぬんだし)。 「ぶち抜け、〈アクアゲイザー〉!」 船の側面に向けた掌から、勢いよく水が射出される。それは狙い通りの場所を見事撃ち抜き、大穴を開けた。そこから水が船内にばしゃばしゃ入って行く。沈むのも時間の問題だろう。 背後で、ガーネット少佐が溜息を吐く。 「…些か乱暴だな。詠唱も、行動も」 「乱暴でも、魔法が発動しなかったわけでもないし、考えなしに行動したわけでもないですから」 ボートの隅から鉤縄を引っ張り出し、カウボーイのようにひゅんひゅん回す。狙うは甲板の縁。少しだけ遠いが、腕力の上がった今なら届くだろう。いや、届く。 「おるあああ!!」 勢いよくぶん投げる。些か飛び過ぎた気がしないでもない。しかしそれは、何とか上手い具合に縁に引っかかった。 「お見事」 「ありがとうございます」 ぐいっと引っ張る。鉤が外れる様子はない。 にっ、と口の端に笑みが浮かんだ。 さぁ、ひとつ暴れてやりましょうか。
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