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「何を言う!床と合体しないように魔力を調節するのは難しいのだぞ!?」
プンプンと、可愛らしい女の子なら頭を撫でたくなるような仕草で魔王が言った。
視界が回復してすぐ、見た目は大の大人で、しかも二次元っぽいイケメンがプンスカ怒る姿を見た時人と志穂は、ハモりながら突っ込む。
「「いや、可愛い無いけん止めとき」」
この、妙に子ども染みた男は本当に魔王なのか?
兄妹は揃って疑わしい目付きで魔王を見た。
そんな二人の視線にムッとする魔王。
「何だ、その目付きは?魔王である我に向かって失礼だぞ!」
「いや、失礼とか言われたって……」
もはや魔王に対してうんざりとする気持ちしか兄妹は持たなかった。
ややげんなりしつつ、魔王をどうするべきか考える。
そんな兄妹をよそに、魔王はさらっととんでもない事を言った。
「それはそうと、どうやら我は魔力が尽きたようだ。どうにかならんか?」
((いや、知らんがな……))
もう声に出すのも億劫になった二人は、げんなりしながら魔王の言葉に心の中で突っ込んだ。
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