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讃岐うどんが有名な香川県のとある町に、香川家の兄妹は住んでいた。
数年前に親を亡くし、兄と妹(共に恋人いない歴=年齢である)の二人きりで生活をしていた。
ちょうど兄である時人が休日のこともあり、いらない衣類を整理しようと妹の志穂はクローゼットを開けた時である。
志穂の目にとんでもないものが映ったのだ。
「そこの娘、この衣服をはよう何とかせい」
クローゼットの床から、何やら立派な角のある生首が生えていた。
しかも喋るので志穂としては恐怖でしかない。
その生首の角に服がかかっている気がしなくもないが、志穂には関係ない事だった。
「どしたんな?」
いつまで経っても動かない妹を不思議に思った時人は、志穂の背後からひょいっとクローゼットの中を覗く。
すると……。
「ふむ。どうやらこの娘、我に恐れを為したようなのだ。そこの人間、お前が我に掛かる衣服をどうにかせよ」
なんとも偉そうに喋る生首―もうお分かりだろうが魔王―に時人は目をこれでもか、という程開いた。
そして。
「うわっ!」
とご近所の迷惑になる程の大音量で叫んだ。
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