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なまじ魔王がイケメンはイケメンでも二次元っぽいイケメンであるのも要因の一つだ。
志穂達は真面目に魔王の話を聞けなかった。
笑いを堪える志穂達に、涙を耐えているのかと勘違いした魔王はいたく感動していた。
魔法を使えずとも、魔王である自分を敬い、哀れんでいるのかと。
「そうか……。お主達は我のこの姿を哀れむというのか。魔力も無い者もそのような感情があるのだな」
魔王が何故このような考えをするのか。
周りが魔力を持った者達ばかりで生活していた魔王にとって、魔力というものは生きる為に必要な事を構成する要素だった。
戯れに人形を作ってみても魔力が無かったものはただ動くだけ。
そのため、魔王は“感情”というものも魔力によって生み出されるものなのだという認識をしていた。
今回、志穂達が魔力が無いにも関わらず魔王に“感情”を向けた、というのは魔王にとって新たな発見だった。
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