Chapter1

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…はっ!! 現実逃避してしまった。あまりにも今の状況が悪すぎて妄想の世界に入ってしまった。 さて、その悪い状況の事なのだが簡単にいうと遅刻だ。何が悪いって今日は入学式なのだ。しかも校門が閉まってる。俺の肛門も閉まってる。 終わった……。これで俺は、登校初日に怒られてクラスに馴染めないまま毎日の昼休みにひとり便所で飯を食うんだ……。 しかし、悲しんでもいられない。俺はやっとの思いでこの都立特殊技能開発高等学校、略して特開高校に入学したのだ。 何とかして中に入れないかな? すると中の警備員が俺に気付いた様で近寄ってくる。名札を見ると中野と書いてあった。 中野警備員さんだ。 誰うまだよ。 取りあえずファーストコンタクトを取ってみる。ちなみに俺は目がいい。 「あのすいません。新入生なんですけど遅刻しちゃって。校門開けてもらえませんか?」 さっきまでは侵入生になろうとしていたがな!! 「そうかい。今、開けるね。」 爽快な笑顔だった。 「けど遅刻はいけないからな。次からは気をつけろよ?」 「はい。すいませんでした。後、開けてくれてありがとうございました。」 「うん。」 そういって去っていた中野警備員はもう二度と戻って来なかった。 訳もなくこれからも見かけるだろう。 さて、やっと学校に入れたな。
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