26人が本棚に入れています
本棚に追加
アタシが晴樹さんと逢ったのは、高3の夏だった。
「ねぇ、次どこ行く?」
「どこでもいいよ」
その頃のアタシは、只同じ気が合うやつとツルんでた。
楽だった。
同じ気持ちだから、同じ悲しみだから
義理の家族に囲まれた生活が嫌だった。
皆いい人で、優しくて
だから余計に居てはいけない気がしていた。
其処には、アタシの居場所が無い。
そんな気持ちだった
気づいたら家を抜け出して、夜の町をふらふら歩いていた。
「あ、」
不意に、なにか見付けたような声がして、アタシは声がしたほうへ振り向いた。
其処には、大学生ぐらいの男の人がアタシを見ていた。
それが、晴樹さんとの出会い。
最初のコメントを投稿しよう!