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急いで駆け寄ると、晴樹さんがとても痛々しそうに血を流して、苦痛に耐えていた。
「晴樹さん……」
「無事か?」
アタシが痛いわけでもないのに、涙が流れて言葉かでない。
アタシは、大きく頷いて晴樹さんの側に座り
晴樹さんの手をとった
「す、すぐ…、救急車来るからぁ…ひっく、だからっ、死なないでぇ…」
涙がで声が震えて、鳴咽が漏れる。
「…なに、ッ!!…泣いて、…んだ…」
「だって、……」
アタシの涙が、頬を伝って晴樹さんに流れ落ちた。
「泣く、な……わ、わらってろ、…な?」
アタシは、また頷いた。
晴樹さんは、頷いたアタシの涙でいっぱいの顔に手を添えた。
そして、静かに目を閉じていった。
「い、やぁ……おいてかないでぇ…」
添えた手が、ゆっくり下りていく。
「おね、がい……」
「晴樹…さん?」
閉じた目が開かない。
イヤ、
嫌、
「いゃぁぁぁぁぁああッッ――――――!!!!」
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