第7章.池田屋事件(後編)

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琴音はなんだか嫌な予感がした。 少し早足で門まで行ってみると、何時もならそこに居るはずの門番は居ない。 きっと何かがあったのだと思い、琴音は屯所内へ足を踏み入れた。 **** その頃平助は翠と街から帰ろうとしているところだった。 もちろん平助は今日琴音が帰って来ることを知らない。 古高が今拷問に掛けられていることは新撰組内のごく一部の者しか知らされて居ない。 理由は簡単。 『もし新撰組内に長州からの間者がいて情報が漏らされたとしたらきっと古高を取り返しにくる。』からだ。 先月までの新撰組だったら返り討ちにすることも出来ていただろう。 しかし今、新撰組内で動ける者は半数以下。 つまり動けない者の方が多いのだ。 理由はここ最近の天気と食事バランスや精神的なストレスにあった。
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