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藤堂と翠が屯所の門に到着したころ琴音が蔵の前の廊下を通っていた。
ちょうどその時。
誰かが蔵から突然飛び出してきたのだ。
ドンッ。
「うわっ!?」
「キャッ!?」
琴音と誰かはぶつかり床に尻餅を着いた。
声からして男なのは分かった。
その男はゆっくりと、立ち上がると右手を差し出し琴音に声を掛けた。
「すみません・・・。
大丈夫でした・・・か?」
固まった男を変に思ったのか琴音は少し眉間に皺を寄せて男の顔を覗いた。
「え・・・
沖・・・田さん??」
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