第7章.池田屋事件(後編)

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「琴音ちゃんが居ない間に・・・女中として雇った、翠って娘がいるんだけど・・・その娘、炊事や洗濯が出来なくてね。 日替わりの当番制にしたのはいいんだけど、食事に塩を入れすぎたり・・・それで外食する人が多くなったりして・・・。 なにより稽古の合間に洗濯とかしなきゃいけなくなった訳だから皆精神的にまいっちゃってね・・・。 それにほら。最近暑くてムシムシしてるでしょ? それでやられちゃった隊士が多いんだ。」 その話を黙って聞いていた琴音だが、ある言葉を聞いた途端眉間に皺を寄せはじめた。 「琴音・・・さん? どうかしましたか??」 沖田は琴音の額に手を伸ばし眉間に寄った皺を「土方さん見たいな顔になっちゃいますよ」と何時もの様に笑いながら摩ってくる。
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