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―――遡ること、数時間前。
『で君達もいよいよ高校3年生となるわけだが、うんたらかんたら』
…あー、話長ぇ。早く家帰りてー
どうも。結城凉です。
今年から高校3年生になりました。
え?誰に向かって話してんのかって?……ま、そこはスルーで。
こんな口調だが、俺は女だ。
家が「結城武道館」っつー結構ここいらじゃ名の知れた道場だ。俺はそこの一人娘であり、剣術師範代をしている。
俺の家庭はちょっと特殊で、父親、兄貴2人、そして俺。
…母親は俺がまだ赤ん坊の時に死んじまった。だから全く記憶にない。
男だらけの家庭で育った俺が女らしく育つ訳がなく、こんなんになった。
…まぁ今更「私」とか言っても気持ち悪ぃだけなんだけどな。
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