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僕の左側にいる違うクラスの女子だろうか、
彼女の頭の上に、なんと…
一匹の蝶々が止まっていたのである。
いつ体育館の中に入ってきたのだろうか。
彼女は真剣な顔で校長の話を聞いている。
だか、自分の頭の上に蝶々が乗っていることを全然気づかないようだ。
どうしよう…。
彼女に頭の上に蝶々が乗ってることを言った方がいいかな…。
う~ん、言いづらいな…。
あえて、見て見ぬふりをした方がいいのかな…。
でも、なんかすごく気になる。
ここは言った方がいいのか…。
あぁ、どうすればいいんだ。
僕が迷っていると、蝶々は彼女の頭の上から飛び立った。
前のステージの方へ向かって行って、
校長の頭の上に止まった。
校長は話すのに夢中で、自分の頭の上に蝶々が止まっているのを全然気づいてないようだ。
校長の頭の上に蝶々が止まってる。
どうやら、蝶々は校長の頭の上が気に入ったようだ。
光るハゲ頭の上に蝶々が乗ってるなんて、なんて滑稽なんだ。
僕は笑いを堪えた。
早く校長の話終わってくれよ。
この光景がシュールすぎて、吹き出しそうだよ…。
校長の頭の輝きがさらに増したような気がした。
はっ、腹いてぇ…いてぇよ。
僕はもう限界だよ。
この校長何時間話してんだ?
話が長過ぎるんだよ。
ぷっ、ぷくくっ。
いかん、笑ってはいかんぞ。
ここは、耐えるんだ。
静寂の中で僕が大笑いなんてしたら、大変なことになるではないか。
それにしても、笑い堪えてると結構お腹にくるもんだな。
早く、校長の頭から離れろよ蝶々。
どんだけ、校長の頭の上が気に入ってるんだよ。
そんなに居心地がいいものなのか?
駄目…もう限界。
僕が我慢できなくなった時にようやく校長の話が終わった。
長い地獄からやっと解き放たれたのである。
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