第一話 初恋

14/15
前へ
/15ページ
次へ
式がようやく終わり、教室へ戻ろうとした時、 「ねぇねぇ」 後ろから誰かが僕の肩を叩き、幼い少年のような声が聞こえた。 振り返ると、ショートカットの男子の制服を着た美少女がいた。 綺麗な茶色の大きな瞳と目が合った。 僕の鼓動は高鳴った。 あの時に出逢い、偶然にも高校が一緒で、ずっと気になっていたあの子である。 まさか、あの子から僕に話しかけてくれるなんて…!! これは運命なのか!?いや、運命に違いない!!と僕は心の中で叫んだ。 「どこかで見かけたことあると思ったら、何日か前に会ったことあるよね?」 彼女に質問されて、僕の鼓動はさらに高鳴る。 落ちつけ…落ちつくんだ僕…せっかくのチャンスなんだぞ。 ここは自然に話すんだ。 そうだ、まずは自然が大事だと自分に言い聞かせた。 「…も、もしかしてぶつかった時の?ああ!思い出した!いや~驚いたなぁ。まさか高校もクラスも一緒だったとは!」 「そうだよね!ボクも驚いたよ。偶然だよね。まさかあの時ぶつかった相手と高校もクラスも一緒だったとはね。きっと何かの縁だよ。」 彼女の最後の言葉のきっと何かの縁という言葉に僕はドキッ!とした。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加